Sushisho Saito
INTENTIONALLIES
Type of Project : Restaurant
Location : Akasaka,Tokyo
Area : 45.8 Sqm
Photo : Kenji Masunaga
進化する老舗のあり方
すし匠斎藤という鮨の所作は、江戸前の仕事を行かしつつ、現代の繊細な魚のあしらい方を融合した鮨屋です。そう書くと、「ニューウェーブ・フィージョン」の様な誤解を招く場合がありますが、王道であり、進化する老舗であると思います。 今回のリニューアルに伴い、一番気をつけたことは、「品格と繊細さ」であり、靴を脱いで上がるお店の構造上、「意識の結界」をどう創り上げるのか?という事でありました。
靴を脱いだ瞬間に足に伝わる「ナグリの床」そっと引き戸をずらした瞬間に目に飛び込む「主と一点のあしらいとしての盆栽」、コの字のカウンターに座った瞬間、自身が器の中に入ったかのような印象を持たせる、和紙職人に「粉引の器」を頭のなかで再表現してもらいながら「漉いた和紙の壁」、窓も無い空間の中で、ふっと落ち着ける瞬間でありながら、正に始まる主と鮨の対話。
その対峙が最も美しく感じる、引き算の総和を空間で考えたつもりです。(INTENTIONALLIES 鄭秀和)