Type of Project : Retail Store
Location : Setagaya,Tokyo
Area : 90.2 Sqm
Construction : Double Box
Photo : Tsuyoshi Kojima













 
YAURAN

心眼の美



巷には洋服が溢れている

便利、流行、割安、希少、、、豊かな生活を共にすべき、美しい品々はどこにあるのか

YAURANの卓見に心を開く




 揺籃(揺り籠)を揺らすことで赤子をあやすのは、羊水の中で常に揺れていた感覚を覚えており、安心感を抱くためである。人が意識的に作ったものではない自然、ただそこにある用途の分からない物、別のなにかに見えるものなど,外の刺激を入れながら揺すってやる。安定する点がなんとなく定まると、赤子のように曇のない眼で物を見ることができるのではないだろうか。
 連なる柱材は枯高としており、ドレープの効いたカーテンは風化により脱色した木材、荒打仕上げのコンクリートの床によく馴染む。その灯りは動物や人体、処分されるべきものに見えたり、優美で不均衡なバランスに脚がとまる。壁面には柿渋染の手漉き和紙が掛けられ、床には浅間石が積まれている。米国で木橋として使用されていた米松の木塊が置かれ、ステージの上には藁の塊が並んでいる。

 多くの人は見方に純度が乏しい。即ち見るのではなく、考へに支配されて見る場合が多い。「見る」ほかに「知る」力が加はつて見るのである。純に「見る」事を「直観する」といふが、直観はその文字が示す通り、見る眼と見られる物との間に仲介物を置かず、ぢかに見る事、直かに見る事であるが、この簡単なことがなかなか出来ぬ。(「日本の眼」柳宗悦 全17・434)







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